事例から学ぶ ネイティブアド導入における活用法と注意点
“ネイティブアド”という言葉を耳にしたことがあるでしょうか。これは、リマーケティング広告、またはリターケティング広告に次ぐ新たな広告方法です。
リマーケティング広告(リターケティング広告)とは、自社サイトに訪れたユーザーに対し、再度訪問するよう促す広告のこと。つい最近まで、非常に有用な広告方法として多くの企業に活用されていましたが、浸透するに連れ、ユーザーに大きなストレスを与えていました。 そこで新たに登場したのが、ネイティブアドです。これは、リマーケティング広告のように広告として目立つものではなく、自然とサイトに溶け込むように表示される広告のこと。ユーザーにストレスを与えることなく、効果的に自社の製品やサービスをアピールすることが可能なため、広告方法として非常に有用だといえます。
では、そんなネイティブアドの具体的な活用法と、導入時の注意点にはどのようなものがあげられるのでしょうか。以下にて、ある企業の事例と併せてご紹介します。
目次
代表的なネイティブアド インフィード型の活用法
ネイティブアドは、ペイドサーチ型やレコメンドウィジェット型、プロモートリスティング型など、大きく6つの種類に分けることができます。そのなかでも特に有名な種類に“インフィード型”があげられます。これは媒体社の通常コンテンツのなかに表示する広告のこと。例えばFacebookやTwitter、LINEなどSNSのタイムライン上に表示されます。
そんなインフィード型の成功事例として、脱毛サロンやエステサロンを運営しているA社があげられます。 A社はもともと集客率向上のため、Yahoo!ディスプレイアドネットワーク(以下YDN)のサイトリターゲティングを活用したディスプレイ広告や、検索連動型広告スポンサードサーチに取り組んでいました。しかし、前者はスマートフォン対応が不十分、後者はクリック単価の高いビッグワードを活用していたため、これがCPA(顧客獲得単価)に見合わず、結果として膨大な額の損失となっていたのです。 そこでA社はこれを改善するため、もともとの広告方法に加え、YDAにてインフィード型の広告を展開することを決意します。インフィード型を導入する目的は、CPAの改善とCV率の向上。要するに、新規顧客獲得数のアップです。
目的を現実化するため、A社はそれぞれの広告のデザインにもこだわりました。ディスプレイ広告は、ユーザーにサービス内容を信用してもらえるよう、伝えたい内容をわかりやすく明記したデザインに。一方インフィード型は、画像とテキストをしっかりと区別し、シンプルさを重視したデザインにしました。このように両者の見た目に違いを持たせることで、サイトへの訪問をより強く促すことができると考えたのです。
こうした前準備を終え、A社は検索連動型広告スポンサードサーチとインフィード型、両方の活用を1ヶ月間実践しました。すると、サイトリターゲティング、サーチターゲティングともに、CTR率とCV率は従来の倍以上の数字を叩きだしたのです。これにより、当初の目的であったCPAの改善にも十分な効果を得ることができたそうです。
このA社の事例から、インフィード型は非常に有用な広告方法であるといえます。事例同様、ほかの方法と併用して活用するのも有効ですが、単体で導入しても十分に効果を得ることが可能です。
インフィード型の広告は、自社の製品やサービスの詳細が書かれたページにリンクしているので、ユーザーにクリックしてもらうことで製品やサービスへの理解を深めてもらうことができます。そのため、扱っている製品が高額であったり、サービス内容が複雑であったりする企業にはとくにおすすめです。 ユーザーに広告を“読み物”として認識してもらうという意味でも、ぜひインフィード型を活用してみてください。
ネイティブアドの導入・運用における注意点
では、実際にネイティブアドを導入する際には、どのような点に気をつければよいのでしょうか。
・自社のペルソナに合った媒体を活用する
ネイティブアドにおいて、活用する媒体・メディアを選ぶ際は、PV数だけで判断してしまってはいけません。その理由は、媒体・メディアを閲覧しているユーザーが、必ずしも自社のペルソナにマッチしているとは限らないため。双方に共通点がない、もしくは特徴があまりにもかけ離れていると、いくらPV数が多い媒体・メディアであっても十分な効果を得ることはできません。そのため、ネイティブアドを導入する際は、まず自社が設けているペルソナに合った媒体・メディア探しからはじめることをおすすめします。
・誘導先はコンテンツ
多くの人は、広告を通してユーザーをライティングページへ誘導したくなるかと思いますが、ネイティブアドの場合は“コンテンツへの誘導”を意識することが大切です。ネイティブアドではあくまでも、ユーザー体験のなかに広告が溶けこむようなかたちを重視しています。そのため、誘導先としてライティングページを選択することが、相応しくない場合もあるのです。こうしたミスを事前に防ぐためにも、ネイティブアドからの導入先はコンテンツとすることを常に意識しておきましょう。
・ユーザー目線でコンテンツを作成する
自社でコンテンツを作成するとなると、製品やサービスのよさばかりをアピールしたコンテンツを考案してしまいがち。そうしたコンテンツに対し、「ユーザーにとって有益なものになる」と考える人がいますが、必ずしもそうとは限りません。より多くのユーザーに満足してもらうためには、ユーザーの目線になって考えたコンテンツを作成することが大切です。なお、こうしたコンテンツの作成は、その分野に長けたチームに依頼することが得策といえます。もし、そのようなチームがないのであれば第3者の意見を取り入れるなどして、ユーザー目線になっているかどうかを確認してもらいましょう。
ネイティブアドを導入して高い効果を得る
いかがでしたか。最新の広告トレンドといっても過言ではない“ネイティブアド”。これを実際に導入する際は、成功事例をもとに活用法を確認してみたり、注意点を押さえておいたりして、前準備をしっかりと行うことが大切です。ネイティブアドを導入すれば、CTR・CVともに満足できる効果が得られるはずです。