最新インバウンド動向と効果的なメディア戦略
近年、訪日外国人旅行者数はコロナ禍を経て過去最高を記録し、インバウンド市場は再び活況を呈しています。観光業や小売業において、効果的なメディア活用が求められる中、どのようにインバウンド向けのプロモーションを行うべきか、最新のインバウンド動向を踏まえ、ターゲット別のメディア戦略について詳しく解説します。
目次
インバウンド市場の最新動向
2025年1月の訪日外国人数は3,781,200人と、前年同月比で40.6%増加し、単月として過去最高を更新しました。(出典:JNTO) 特に、中国、韓国、台湾、香港、アメリカからの旅行者数が上位を占めています。(出典:やまとごころ)
この増加の背景には、旧正月(春節)の時期が1月に重なり、アジア各国での旅行需要が高まったことや、ウィンタースポーツを目的としたオーストラリアやアメリカからの旅行者が増加したことが挙げられます。さらに、航空路線の拡充やビザ発給要件の緩和なども、訪日客増加を後押ししています。2025年の訪日外国人旅行者数は、前年を上回る4,020万人に達すると予測されており、インバウンド市場のさらなる拡大が期待されています。(出典:JTB)
インバウンド旅行者の消費行動とターゲット
訪日外国人旅行者の消費行動は、国や地域によって特徴が異なります。例えば、欧米豪からの旅行者は平均滞在日数が長く、総消費額が大きい傾向があります。
一方、アジア圏からの旅行者は滞在日数が短いものの、1日当たりの消費額が高いとされています。特に、中国人旅行者の消費単価が最も高く、購買意欲が旺盛です。しかし、一時期話題になった「爆買い」ではなく、「体験型消費」へのシフトが見られます。観光地でのアクティビティや日本文化の体験、名所ではなくあえて地方で日本の生活を感じるような旅行の需要が高まっています。このような消費動向を踏まえ、ターゲットとする国や地域に合わせたプロモーション戦略が求められます。
訪日外国人の行動に合わせたメディア活用
インバウンドマーケティングでは、旅行者の行動を「旅マエ」「旅ナカ」「旅アト」の3つのフェーズに分け、それぞれに適したメディア戦略を展開することが重要です。
旅マエ(訪日前の情報収集段階)
・SNS広告:InstagramやWeChatなどのプラットフォームでターゲット層にリーチ。
・口コミサイトや旅行ブログ:旅行者のレビューや体験談を通じて情報提供。
・訪日ビザ同梱DM:ビザ発給時に広告を同梱し、確実に情報を届ける。
旅ナカ(訪日中の情報提供)
・機内誌・空港広告:旅行者が日本到着前後に目にする媒体で情報発信。
・Googleマップ・口コミサイトの活用:現地での行動をサポートし、集客につなげる。
→広告コラム:インバウンドMEOとは?注目されている理由や集客ポイントを紹介 ・インフルエンサーによるリアルタイム情報発信:SNSを通じて最新情報を提供し、訪問を促進。
旅アト(帰国後のフォロー)
・SNSでの感想投稿促進:旅行者に体験をシェアしてもらい、次の訪問者への参考とする。
・メールマーケティングやリターゲティング広告:再訪問や関連商品の購入を促す。
・越境ECを活用した再購入促進:日本で購入した商品のリピート購入を支援。
効果的なメディア戦略の具体例
〇訪日ビザ同梱DM
中国人旅行予定者のパスポート返送時に広告を同梱することで、訪日が確定している層に直接アプローチできます。
〇LCC機内誌広告
春秋航空日本やジェットスターなどのLCC機内誌は、自由旅行を好む個人旅行者にリーチでき、機内という限られた空間で高い閲読率が期待できます。
〇地域特化型インフルエンサーの活用
YouTubeやTikTokで活躍するインフルエンサーと提携し、特定の地域やテーマに焦点を当てたコンテンツを配信することで、訪日需要を喚起。
インバウンド向けメディア戦略の今後
2025年に向けて、訪日外国人の旅行スタイルはさらに多様化し、デジタルメディアの重要性が増していくでしょう。 特にSNSを活用したターゲティング広告や、越境ECやリピーター向け施策も併せて活用することで、持続的なインバウンド需要を獲得できるでしょう。日本国内で行う広告施策と変わらないよう、訪日外国人にしっかりアプローチしていくことで、集客や売り上げの拡大を期待できます。
まとめ
インバウンド市場の拡大に伴い、効果的なメディア戦略が求められています。 訪日外国人の行動パターンに合わせた「旅マエ・旅ナカ・旅アト」のアプローチを意識し、適切なメディアを活用することで、より多くの訪日客にリーチできます。 今後も変化するトレンドを捉え、最適なプロモーション戦略を構築していきましょう。