広告コラム

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広告宣伝費とは?平均的な割合や改善方法も紹介

自社商品やサービスの売上を向上させるために、広告宣伝費は重要な経費です。中には広告宣伝費の割合を判断するのは難しいと感じる担当者もいるでしょう。今回は、広告宣伝費の基本や平均額、改善方法について解説します。この記事を、広告宣伝活動の効果を高める一助として、ぜひお役立てください。

適切な広告宣伝費の割合とは

まず、広告宣伝費の決め方には、売上に対して一定の比率で決める方法があります。

上場企業の4分の1を対象とした調査結果では、広告宣伝費は売上に対して平均3.5%です。通信サービスや化粧品、健康食品など、粗利率やリピート率が高い商品・サービスを提供する業界は、広告宣伝費が10〜20%で平均よりも高めといえます。それに対して、金融業界や流通・小売、自動車メーカーなどは低めの傾向があります。他社の広告宣伝費を参考にして、自社製品やサービスの特徴にマッチした金額を設定することが大切です。
参考:「広告宣伝費」が多いトップ300社ランキング|東洋経済オンライン

業種によって異なる広告宣伝費の考え方

広告宣伝費に対する考え方は、業種によって異なります。リピート率の高い商品やサービスを扱う業種では、新規顧客1名の獲得にかかる費用で計算します。

例えば、1万円の商品を200個売るために200万円の広告費用がかかれば、商品の購入1件あたりにかかった広告費は、以下の計算より1万円です。

200万円(全体の広告費)÷200個=1万円(商品1個にかかる広告費)

1万円の商品に1万円の広告費がかかっては、採算が合わないように見えます。ここで、新規顧客200名のうち100名が6回リピート購入したと仮定すると、以下の計算から、広告宣伝費に対する新規購入1件の利益は2万円と算出されます。

1万円×100個×6回=600万円(売上)
600万円-200万円=400万円(利益)
400万円÷200個=2万円(購入された商品1個あたりの利益)

また、一般消費者ではなく企業や業者に商品・サービスを提供するBtoB企業では、問い合わせや見積依頼1件あたりにかかる広告費を考えます。例えば、広告費用が10万円で、それに対しての問い合わせが月10件であれば、問い合わせ1件にかかった広告費は1万円です。

10万円(全体の広告費)÷10件=1万円(1件あたりの広告費)

10件の問い合わせのうち、業者との商談が1件成立し、100万円の儲けが出たとします。すると、以下の計算から、10件あった問い合わせの価値は、1件あたり10万円となります。つまり、広告宣伝費に対して、問い合わせ1件につき9万円の利益を得たという考えです。

100万円(成約金)÷10件=10万円(問い合わせ1件の価値)
10万円-1万円=9万円(問い合わせ1件の利益)

企業がどこに価値を置くかで、計算に利用する数値や計算方法は変わります。

広告宣伝費の基本

広告宣伝費の売上に占める割合や考え方は、業種によって異なる一方で、広告宣伝費自体はどの業種でも重要であり不可欠です。ここでは、広告宣伝費の基礎知識や具体例について解説します。

広告宣伝費とは

広告宣伝費とは、自社商品やサービスなどを、不特定多数の個人や企業に向けて販売するための広告や宣伝にかかる経費のことです。広告費や、販売促進費とも呼ばれます。 商品価値の訴求だけではなく、会社のブランドイメージや認知度向上を目的とする広報にかかる費用も、広告宣伝費に含まれます。

商品やサービス、会社の魅力を幅広い消費者に伝え、集客や購入などのアクションへとつなげるために、広告宣伝費は欠かせない経費です。

広告宣伝費の例

広告宣伝費を要する広告の具体例には、テレビやラジオなどの放送によるCMや、新聞や雑誌、フリーペーパーの広告などに代表される紙媒体があります。最近では、WebサイトやSNSなどに掲載されるオンライン広告も増加しています。 自社商品やサービスの紹介を掲載するホームページの運営も、広告宣伝費を利用する活動の一環です。

自社が提供する商品やサービスのターゲット層を理解し、目的の層に合わせて認知されやすい方法を選ぶことが大切です。

広告宣伝費の改善方法

広告宣伝費に多くの予算を割いても、商品やサービスが売れなければ、利益につながらない可能性があります。 広告宣伝活動を、消費者の関心を惹きつけ売上向上に寄与できるものにすることは、広告宣伝費を有益な経費とするために重要です。ここでは、広告宣伝活動の改善方法を解説します。

効果検証を行う

広告宣伝費が売上金額に占める割合は何%かを計算し、自社と同じ業種で使われる広告宣伝費の平均値と比較することで、適切な金額か否かの検証ができます。

紙媒体とインターネットなど、異なる複数の広告を使用するときは、それぞれの広告から得られた売上金額を比較することも重要です。Webサイト経由での購入か電話での購入かなどで、どの広告が消費者の購買活動を促進できたかを検証し、効果の高い広告に予算を配分することで、費用対効果の向上が期待できます。購入に至った広告の種類を、アンケートで確認することも有効です。

顧客に特典を用意する

広告に、顧客への特典を活用する方法は、販売促進に寄与します。ノベルティやプチギフトに代表される物理的な特典のほか、割引クーポンやお試しサービスなども、購入意欲を高めるために有効です。

広告宣伝に掲載された特典やクーポンを活用することで、通常の購入や利用よりもお得であると顧客に判断してもらえ、消費活動の促進効果が高まります。割引の形式や有効期限の有無などは業種によって異なるため、自社の商品やサービスに効果を発揮する特典の十分な検討が大切です。

さまざまな媒体を活用する

以前はテレビCMや新聞のチラシ広告が主流だった一方、スマートフォンやインターネットが普及するにつれて、SNSやWebサイトなどのオンライン広告を見る人が増加しました。 近年はYouTubeやTikTokなどの動画広告がトレンドであり、流行の媒体を活用することで、消費者の目に止まる可能性が高まり、広告宣伝費の価値が向上します。

広告から自社サイトや自社SNSなどに誘導する方法を考慮して、オンライン広告や動画広告を活用すると、宣伝効果の向上が期待できます。また、1つの方法だけでなく、複数の広告媒体を活用することで、幅広い消費者への訴求が可能です。

対象となる顧客を明確にする

広告が有効な消費者層は、広告宣伝の媒体によって異なります。
シニア層をターゲットにする商品であれば、テレビやラジオ、新聞による広告が高い効果を発揮すると考えられます。若年層であれば、SNSやYouTubeによる広告が有効です。ターゲットとする顧客のニーズ・年齢・性別・趣味嗜好などを詳細に分析することで、広告の方針が定まり、広告宣伝の費用対効果が高まります。

広告宣伝費の効果測定に用いる数値

広告宣伝費の効果を測定する際には、KPI(Key Performance Indicator)の設定と、定期的なチェック及び改善が大切です。KPIは、重要業績評価指標と訳され、企業の達成目標に向けた取り組み過程の業績を評価する指標のことを指します。ここでは、KPIのうち、営業やマーケティングなどにおいて特に重要視される3つについて解説します。

CPO・CPA

CPO(Cost Per Order)は、顧客獲得費用のことで、新規顧客に商品やサービスを購入してもらう際、1件あたりにかかった広告宣伝費を指します。CPOの算出方法は、以下の通りです。

広告宣伝費÷受注件数=CPO

新規顧客の獲得に要した単価であるCPOが低いほど、利益は増えます。利益が増えれば広告宣伝費に割ける予算が増え、さらなる新規顧客と利益の獲得が期待できます。また、受注件数を、顧客からの問い合わせや資料請求、会員登録数に変えることで、CPA(Cost Per Action)が算出可能です。CPAを求める計算式は、以下の通りです。

広告宣伝費÷アクション数=CPA

CPAは、前述したBtoB企業のように、1つ1つの成約が多大な利益につながるケースで多く用いられます。

ROAS

ROAS(Return on Advertising Spend)は、広告費用回収率や広告の費用対効果と訳され、広告によって獲得した売上から、広告費をどの程度回収できたかを示す指標です。通常、以下の計算式で算出可能です。

売上金額÷広告費×100=ROAS(%)

売上金額は、業種や販売形態によって、初回購入売上や年間累計売上などに変えて計算します。ROASが高いほど、売上に対して広告宣伝費の貢献度、つまり費用対効果が高いと判断できます。

LTV

LTV(Lifetime Value)は、顧客生涯価値を指す言葉で、1人の顧客が自社の商品やサービスを利用することで、生涯にわたってどの程度の利益をもたらしたかを表す指針です。

LTVの値は、顧客1人の利用開始から終了までの合計売上金額です。 広告宣伝で獲得した新規顧客が、1度きりの利用で終わるのか、複数回の利用で自社の利益により多く貢献してもらえるかで、広告宣伝費の価値が変わります。LTVが高いほどリピート率が高く、商品やサービスの魅力訴求や顧客との信頼関係構築に成功したと判断できます。

まとめ

この記事では、広告宣伝費の基礎知識や予算の割合、改善方法について解説しました。自社の業種やターゲット層を意識して、適切な予算配分と効果検証、改善を実施することで、顧客と利益の獲得につながります。自社の商品やサービスに適した広告宣伝費の割合や、費用対効果の高い方法の見極め、検討の際は、本記事をぜひ参考にしてください。

 

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