インバウンドMEOとは?注目されている理由や集客ポイントを紹介
インバウンドMEOについて知りたい経営者や担当者に向けて、基本的な概要や集客方法を解説します。日本人向けのMEO対策とは異なるので、ポイントを把握してください。
目次
インバウンドMEOの基礎知識
そもそもインバウンドMEOとはどのようなものでしょうか。SEOはよく知っているが、MEOはよく分からないという人も多いでしょう。ここでは、MEOの基礎知識について概要を解説します。
インバウンドとは?
「インバウンド」とは「中に入ってくる」の意味があり、ここでは訪日外国人旅行客を指します。メディアで頻繁に紹介され、市場に定着した言葉です。主に観光客が対象であるものの、ビジネスで訪れる旅行客も含まれます。
訪日客数は2012年までは600〜800万人規模で推移していました。その後増加が始まり、2019年には3,100万人を超えました。コロナ禍で大きく落ち込んだものの、2023年には2,500万人まで回復しています。
参考:日本政府観光局(JNTO)「ビジット・ジャパン事業開始以降の訪日客数の推移」
MEOとは?
MEOとは、Map Engine Optimization(マップエンジン最適化)の頭文字をとった略語です。
例えばGoogleマップには「ローカル検索」の機能があります。店舗や施設の名前、「和食」や「鍋」などのカテゴリで検索すると、周辺にある店舗の位置にアイコンが表示され、名前と概要の一覧が見られます。地域名を併せて検索すれば、その地域の情報が表示される仕組みです。
(一般のGoogle検索でも簡易なマップが表示されます)
MEOとはローカル検索結果に上位表示されるようWebサイトを最適化する手法で、店舗や施設の情報を「Googleビジネスプロフィール」に登録する作業が中心です
インバウンドMEOが効果的な業種
インバウンドMEOを実施することで効果のある業種・業態としては次のものが挙げられます。
●外食業:飲食店・カフェ
●小売業:土産店・家電量販店
●宿泊施設:ホテル・旅館・民泊
●観光施設:スキー場・博物館・美術館
●商業施設:市場・商店街・モール
これらは外国人が地図検索をすることで集客が見込める業種です。
次のタイミングで検索が行われると考えられます。
●旅行(移動)前に目的地の情報を調べたいとき
●訪れた地域で施設を探したいとき
検索結果に店舗や施設が表示されれば、旅行客が訪れる可能性を高めます。
インバウンドMEOが注目されている理由
MEOは国内需要に対して有効な手法として定着しており、インバウンドにも効果を広げています。スマートフォンの普及によって利用シーンが増えたことも理由の1つです。ここでは、外国人旅行者に対するインバウンドMEOに注目が集まる理由について解説します。
世界中で利用されている
Googleマップは世界中で利用されているマップサービスであり、Webブラウザでもアプリでも利用でき、ストリートビューで街の様子をリアルに見ることも可能です。
世界の市場規模を比較できるリサーチポータル「Statista」によると、2023年にダウンロードされた旅行アプリで最も多いものがGoogleマップ、次いでUberです。 Googleマップは旅行時に利用するアプリの定番で、マップアプリでは圧倒的なシェアを誇っています。
参考:Statista「2023年に世界で選ばれた主要旅行アプリの総ダウンロード数」
多言語設定ができる
Googleマップは74の言語をサポートし、自動翻訳に対応しています。(2024年9月現在)店舗名や説明が日本語で書かれていても、検索した旅行者が自国の言葉で読めます。
Webサイトなどでも、かつては英語・韓国語・中国語などのコンテンツを別に用意する必要があったうえ、あらゆる国の人が日本を訪れる状況では、必ずしも十分ではありませんでした。マップが多国語対応されていることで、外国人が言語の壁に阻まれず日本の地域情報を閲覧できます。旅行客が道案内や店舗検索をする際に、マップ検索は欠かせないツールです。
ローカル検索で店を発見しやすい
Googleマップのローカル検索は地域情報を取得する便利な仕組みです。地域を指定して情報が得られるだけでなく、その地域にいると位置情報を取得して自動で地域情報を優先表示します。
例えば旅行者が、今いる場所で「食事がしたい」と思ったとき、どのような店に行きたいか(和食レストラン・バーガーショップなど)を検索すれば、該当する店舗の場所と概要が表示されます。旅行前に地域を指定して施設を検索すれば、施設の一覧が表示され、目的地のスムーズな決定が可能です。
口コミや写真などの情報がある
口コミや写真などの情報が充実した施設は評価が上がり、ローカル検索で見られやすくなります。
日本人の海外旅行で日本人による口コミを参考にするのと同様に、外国人旅行客も自国の旅行客の口コミを参考にします。また、地元の日本人がおすすめする具体的な口コミも有益な情報です。 写真は旅行客による投稿も、サービス提供者側での投稿も可能です。店舗の外観や内観、料理やスタッフの様子などが揃っていると、旅行客の理解が深まり、集客効果を高めます。
インバウンドMEOの集客ポイント
ここでは、インバウンドMEOで効果的に集客するポイントを解説します。インバウンドならではのテクニックがあり、外国人旅行客の気持ちを考えて施策を検討・実施することが大切です。
多言語登録する
Googleマップに店舗や施設の情報を登録する「Googleビジネスプロフィール」は多言語表示に対応していますが、すべてが正確に翻訳されるとは限りません。重要な項目については多言語を手動で登録することが大切です。言語を選択して各項目に正しい内容を入力することで、入力した内容が翻訳時に優先して表示されます。
翻訳されない情報に英語を併記する
Googleビジネスプロフィールでは、次の項目は自動翻訳がされません。
●店名
●番地以下(ビル名やマンション名など)
●ビジネスの説明
●商品とカテゴリ
●メニュー
●サービス
これらの情報が日本語だけの表記だと、外国人には理解が難しいため、英語の併記が必要です。また中国語や韓国語など、利用者の多い国の言語も併記することで、訪問してもらえる確率が高まります。
キャッシュレス決済の導入
現在では次のようにキャッシュレス決済の方法が複数あり、それぞれに複数の決済業者が存在します。
●クレジットカード・デビットカード
●電子マネー
●スマートフォン決済
●QRコード決済
客層に合わせて、できるだけ網羅できるように導入を進めましょう。
とくに大切なことは、対応可能な決済方法をビジネスプロフィールに登録することです。旅行客がマップ上で決済方法を事前に確認できれば、支払いの段階で手間取る時間が削減できます。
複数の旅行系アプリに登録する
Googleマップアプリのダウンロード数は圧倒的多数であるものの、日本以外では他のマップサービスや旅行口コミサイトも利用されています。代表的なものは次のサービスです。
●TripAdvisor:旅行口コミサイト
●AppleMaps:iPhoneでよく利用されるマップサービス
●百度(バイドゥ)地図:検索エンジンが提供するマップサービス
●Foursquare:位置情報に基づいたSNS
これらは海外向けのサービスですが、日本のロケーション情報が登録できるため、集客力の向上に活用することが重要です。
写真や動画を掲載する
テキストだけの情報ではイメージしにくいため、写真や動画を掲載するとよい反応が期待できます。外国人旅行客が撮影した写真や動画は、日本人とは注目する部分が異なるケースも多く、同じ外国人にとって関心を持ちやすい可能性があります。訪れた外国人に投稿してもらうように呼びかけることも有効です。
写真が料理や建物など特定の視点に偏っているときは、店側で注目してもらいたいポイントを撮影して投稿することも効果的です。
まとめ
インバウンドMEOとは、訪日外国人がGoogleマップで店舗や施設などを検索した際に、ローカル検索結果に上位表示されるようにWebサイトを最適化する手法です。
このほかにも、多言語対応やキャッシュレス決済の導入と表示、各種旅行系サービスへの登録などのこまめな実施が、集客を拡大するポイントです。訪日外国人の気持ちに寄り添って利便性を向上させ、インバウンドMEOを成功させましょう。