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ソーシャルビジネスとは?定義のほか企業の成功事例についても解説

近年、ソーシャルビジネスは世界中で注目されるようになり、支援の制度が整えられたり、さまざまなソーシャルビジネスが実施されたりしています。今回の記事では、ソーシャルビジネスの定義や事例について紹介します。

ソーシャルビジネスとは

ソーシャルビジネスとは「社会問題の解決にビジネスとして取り組む事業」です。以下で、ソーシャルビジネスの定義や歴史、混同されやすいほかの活動について解説します。

ソーシャルビジネスの定義

ソーシャルビジネスとは、2006年にノーベル平和賞を受賞したムハマド・ユヌスが最初に使った言葉とされています。
ムハマド・ユヌスはソーシャルビジネスについて、以下の原則を提唱しています。

●社会問題の解決が目的の事業である
●ビジネスの手法を使い、自立的かつ持続的である
●利益は投資家へ配当せず、社員の福利厚生・自社への再投資にまわす

経済産業省では、地域社会の課題解決に向けて住民・NPO・企業などが協力し、ビジネスを的な側面も用いて解決するものと定義されています。
参考:経済産業省:ソーシャルビジネス

ソーシャルビジネスの歴史

ソーシャルビジネスの始まりは、1980年代のイギリスで実施された経済政策です。当時のサッチャー首相は、国の経済再生を目的として、公共サービスを縮小する「小さな政府」政策を取り入れました。 この政策によって増加した失業や貧困に苦しむ人々を救うために、民間企業が立ち上げたさまざまな事業こそ、最初のソーシャルビジネスだといわれています。この流れを受けて、ソーシャルビジネスはほかの欧米諸国で取り入れられ、世界中に広がりました。

よく似たほかの活動との違い

ソーシャルビジネスと混同されやすい活動が、NPOやボランティアです。NPOの多くは外部からの資金に頼って活動しており、「ビジネスによって事業収益を上げ、継続して課題解決に取り組む」ソーシャルビジネスとは異なります。ボランティアもまた、自ら収益を上げる活動は行わない点で、ソーシャルビジネスとはいえないのです。社会課題の解決には、ソーシャルビジネスとNPOやボランティアの、垣根を超えた協力が求められます。

ソーシャルビジネスの特徴

ソーシャルビジネスは通常のビジネスとは異なり、利益よりも社会問題の解決を優先します。何かを販売するときは、得られる利益に着目するのではなく「消費者に販売の社会的背景が理解してもらえる方法をとる」ことが重視されます。一方、社会問題に関わる活動をしながら事業収益で経営を続けられることも特徴です。外部からの資金に頼らないため、理想とする方向へ自由にビジネスを進められます。また、投資家への配当がないことも特徴です。

ソーシャルビジネスが重要視される理由

今、多くの国がソーシャルビジネスに注目し、普及や支援に力を入れています。その背景には、環境汚染や貧困など多くの社会問題に対し、国だけでなく民間企業も、課題解決の責任を担う一員として重要視され始めたことがあります。

また、人々の社会問題やSDGsへの意識が高まる今、企業が生き残るためには利益重視のビジネスではなく、社会への貢献が不可欠です。社会や地域の課題を「継続して」「組織で」解決できる仕組みが求められているのです。

ソーシャルビジネスの課題

需要の高まりつつあるソーシャルビジネスですが、その効果を発揮するためには課題があります。
課題の一つとして、認知度の向上が挙げられます。企業が目的や活動内容を広く発信し、多くの人に認知し協力してもらうことが、ソーシャルビジネス成功の重要なポイントです。二つ目の課題として、社会課題の解決を優先することによる収益化の難しさがあります。従来のビジネスと同様に経営戦略を立て、他の団体との連携や支援を活用しながら、長期の事業継続を目指すことが大切です。また、ソーシャルビジネスに携わる人手の不足やスキル不足も深刻な課題といえます。

日本国内のソーシャルビジネスの事例

日本では、今、ソーシャルビジネスに取り組むさまざまな企業が活躍しています。以下で、学習・就労の場や農業支援など多様な状況下におけるソーシャルビジネスの事例について紹介します。

学習・就労支援の事例

スマイルアカデミー社は、福岡で無料の学童保育「スマ学」を実施しました。スマ学自体は無料ながら、有料サービスと連動させて活動することで収益化を実現しています。

LITALICO社は、さまざまな障害を抱えた方を対象とした就労支援サービス・学習支援事業を実施しています。当ビジネスの目標は、「働くことに対する困難がない社会の実現」です。株式会社スマイルバトンでは、教育メディアコミュニティである「先生の学校」を運営し、教育現場の改善に取り組んでいます。

農業支援の事例

ポケットマルシェ社は、生産者と直接やり取りしながら食材が購入できるオンラインマルシェを運営しています。消費者が産地直送の新鮮な食材を購入でき、生産者に直接感謝を伝えられることが特徴です。規格外品を通常より安価で購入でき、食品ロス削減への効果も期待されています。

坂ノ途中社は、野菜の多様性の許容や新規就農者の応援、環境負荷の小さい農業の拡大を指針とする企業です。環境負荷の小さい農業を支援する仕組みとして、野菜の個人宅配事業や飲食店への卸売事業などを手がけています。

生理用品の事例

OiTr(オイテル)は、個室トイレに生理用ナプキンを常備し、無料で提供するサービスです。このサービスは、外出先で突然生理になることで予定をキャンセルしたり、わざわざ生理用品を購入したりしなくてはならない女性に着目して作られました。

アプリダウンロードして広告を視聴することで広告収入が入り、それによってナプキンを無料で提供できる流れが構築されています。ウェルネス分野におけるジェンダーギャップの軽減を目指しています。

海外のソーシャルビジネス事例

ソーシャルビジネスは、海外でもさまざまな事例があります。 以下では、貧困層支援と自然環境保護に対して、海外で活動しているソーシャルビジネスについて紹介します。

貧困層支援の事例

ケニアの通信企業であるサファリコムは、モバイル決済プラットフォームである「M-PESA(エムペサ)」を開発・運営しています。これにより、携帯電話のSMS機能による金銭の授受を実現し、銀行口座を持てない貧困層の生活を支援しています。

シンガポールのZilingo(ジリンゴ)は、BtoBおよびBtoCマーケットプレイスを運営し、製造者側・消費者側の双方に利点がある仕組みを構築しました。

イギリスの起業家集団Company Shopは、低所得者向けスーパーマーケットの運営による貧困層の支援・食品ロスの削減に取り組んでいます。

自然環境保護の事例

パタゴニアは、アメリカに本社を持つアウトドア用品会社です。 自然を保護するコミュニティ主導の取組を支援し、2025年までにすべての製品の素材をリサイクル素材に変えることを目指しています。

オールバーズはニュージーランドの靴販売会社です。 製造するスニーカーのアッパーは、動物福祉や環境保全への貢献を実践する牧場の羊の毛を使用しています。また、カーボンフットプリントを通常の靴よりも6割削減したり、中敷きに生物分解が可能な素材を用いたりと、自然環境に配慮した製品を製造・販売しています。

ソーシャルビジネスに取り組む際のポイント

ソーシャルビジネスに取り組み、運営を継続するためには、いくつかのポイントがあります。ソーシャルビジネスとして成立するために重要なことは、事業の運営に社会的意義があることです。

収益性があることも、事業を継続するために必須といえます。ビジネスを拡大するために、多くの人から共感と協力を得られる思いや手段があることも大切です。社会課題解決のために、多様な形で事業を進められることも成功のポイントです。

まとめ

ソーシャルビジネスは、利益よりも社会課題解決を重視するビジネスです。徐々に需要が高まり、国内外でさまざまな事例があります。 ソーシャルビジネスに取り組むためには、事業の社会的意義と収益性の両立が大切です。

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