受験生応援広告とは?若者へエールを送りながらブランディングする手法
「受験生応援広告」という言葉を聞いたことがありますか?明確な定義があるわけではありませんが、その名の通り、企業が冬の受験シーズンに合わせて行うプロモーションのことを指します。
受験生にエールを送ることで、自然に商品の露出が見込め、SNSでの拡散や認知拡大を狙えるキャンペーンです。大企業のように全国的な展開ではなくとも、商圏内でできることを取り入れてみると、新たな企業価値の創出につながるかもしれません。
目次
受験生応援広告とは?
受験生応援広告とは、受験時期(1月~2月)に企業が行う、受験生に向けたメッセージ性のある広告のことです。
いくつか具体例をご紹介します。
具体例:明治のR-1による受験あるある
2021年に大きく話題になったのが、明治のR-1が出した受験生応援広告。街角の屋外広告や電車内の交通広告を使って、公式Twitterの「#全国統一受験生アンケート」に集まった受験生の声を発信しました。
例えば、「数学を勉強して腹が立ったことって?”移動する点P”」「語感の気持ちいい言葉は?”墾田永年私財法”」など、受験生にとってのあるあるが詰まった広告は話題を呼び、SNSで拡散され、各種メディアでも取り上げられました。広告の隅には、R-1の商品写真とともに、「もうすぐだ。がんばれ体調管理」のメッセージ。くすっと笑えて、勇気がもらえる笑顔が生まれるプロモーションの事例です。
駿台予備校の受験生応援広告
交通広告グランプリ2021も受賞したのが、駿台予備校の広告。コロナ禍の受験ということで、受験会場での対面応援が叶わなかった分、職員や講師による激励メッセージを試験会場の最寄り駅に掲出し、広告で受験生へエールを送りました。
大塚製薬のSNS連動型プロモーション
2017年1月に大塚製薬が大阪阪急梅田駅で行った「受験応援STATION」というプロモーション。カロリーメイトのパッケージに受験生へ向けたメッセージを書き、SNSにアップしてもらうという参加型のイベントです。当時放送されていたCMの内容(受験生を見守る母が、受験当日に”大丈夫”と書かれたカロリーメイトを渡す)とリンクする形で、カロリーメイトにメッセージを書くという行為を根付かせる効果も期待できました。商品の使い方に着目したプロモーションで、SNSを見て真似する人も発生し、訴求効果が高まったと思われます。
受験生応援広告の形態
決まりがあるわけではありませんが、受験生応援広告は「期間を絞って」「不特定多数」に向けてアピールすることが重要です。そのため、公共の交通機関における交通広告などが活用されることが多いです。Web広告なども考えられますが、受験生はスマートフォンを触る暇も惜しいはずですから、普段の移動の最中に目に入るような屋外広告が適していると言えます。
受験生広告を出すメリット
新規顧客の開拓
特定の年齢層(受験する中学3年生、高校3年生の若年層や、その親世代)に刺さるメッセージを準備することで、ブランドや商品の強い印象を残すことができます。受験は季節イベントの一つと化していて、その時期になると「合格」をイメージしたデザインのパッケージの商品が陳列棚に並びます。新たな商材かという点から、受験生向けのパッケージや宣伝文句を考えることで、短期的な売上アップが期待できます。その商品を気に入ってもらえれば、受験が終わった後にもリピーターとして再び購入してもらえる可能性もあります。
前向きなメッセージで企業のブランドイメージ向上
また、受験生へのストレートな応援の気持ちを多くの人の目に留まる場所で広告にすることで、受験生を応援する温かい企業というブランドイメージをアピールすることもできます。
注目を集める広告で、SNS拡散による認知拡大
R-1の広告やカロリーメイトのプロモーションのように、「誰かを応援したい」という気持ちを呼び起こす受験生応援広告は、SNSと非常に相性の良い広告です。刺さるメッセージ広告を制作することができれば、写真を撮影してLINEやTwitter、InstagramやTik Tok、FacebookなどのSNSに投稿してもらえる可能性が高まります。すると、実際に広告を目にしていない人のもとにもメッセージが伝わり、訴求効果が高まります。メッセージ性のある広告はバズる(拡散される)可能性も高いので、認知拡大という点で費用対効果の高さが期待できます。
工夫して、受験生応援広告を企画してみよう
受験は、その人の一生を左右する一大イベントです。私たちも、これまでの人生でたどってきた道。受験の苦労がわかるからこそ、受験生に寄り添ったメッセージを発信し、心からエールを贈りましょう。受験生応援広告は、直接的に売上を上げるというよりも、見る人とコミュニケーションを取り、関係性を築くための広告です。真心のこもったエールは受験生や受験生を応援する人の心に伝わり、深く印象付けられるはずです。キャンペーンやプロモーションの一環として、取り入れてみてはいかがでしょうか。