思わぬ広告効果も?Jリーグで奇跡をうんだ「スタジアム広告」
さまざまな広告媒体がある中で、オリンピックに向けたスポーツの盛り上がりを受けて注目が集まっているのが「スタジアム広告」です。サッカースタジアムなどのスポーツ施設にスポンサーが掲示する広告で、主に試合を観戦に来るお客さんや、TVやインターネットの中継を通じて視聴するお客さんに向けて社名や商品・サービス名をアピールすることができます。
掲示されるスペースも限られ、近くでまじまじと見ることができる広告ではありませんが、試合中に長期間その情報に接するため、認知度を高める効果も期待できます。また、試合運びによっては思わず自社の広告が注目を浴びるという嬉しいケースもあり、スポーツ熱の盛り上がりとともにより人気の高まりそうな広告媒体です。
今回は、実際の成功事例もご紹介しながら、スタジアム広告について解説します。
目次
スタジアム広告とは?
スタジアム広告とは、サッカースタジアムや野球場など、スポーツ施設に掲示される広告のことを指します。スポーツ会場には、試合のたびに多くの人が応援に訪れるため、不特定多数に社名やサービス名をアピールするための広告手段として世界各国で活用されています。
スタジアム広告を出稿するメリットとしては、次のものが挙げられます。
- 不特定多数が同時に見るため、認知度向上が期待されること
- 一定期間掲示されるので、繰り返し広告を目にする人が出てくること
- その会場の人だけでなく、TVやインターネットの中継を通じて日本中の人が見る可能性があること
- スポーツの持つ健全で公共性の高いイメージから、スタジアムに広告を出すことで企業のイメージアップが期待できること
- その地域のスポーツ振興に寄与できるため、企業のイメージアップにつながること
スタジアム広告を出稿することで、企業として地域のスポーツを振興する手助けができるだけでなく、企業の認知度向上による売上アップが期待できます。テレビCMやインターネット広告のように、強く目を引いたりたくさんの情報を提供できるわけではありませんが、お客さんの心に企業イメージを深く根付かせることになるのです。
スタジアムによって、さまざまな広告がある
一口に「スタジアム広告」と言っても、スタジアムや施設によってさまざまな広告形態があります。また、スタジアムによっても料金はかなり変わります。
一番イメージされるのが、競技場の周りに掲示される看板広告でしょう。サッカーであれば「ピッチ広告」、野球であれば「フェンス広告」とも呼ばれます。
また、最新の設備を備えたスタジアムであれば、巨大スクリーンを使用した動画広告の放映も可能です。この場合は、街頭のデジタルサイネージ広告やテレビCMと同様に、より多くの情報を盛り込むことができます。広告が表示されるのは試合前後のタイミングなので、観客への強制視認性も高いです。
スタジアム内の通路などにポスターやデジタルサイネージ等で広告出稿ができるエリアが確保されているケースもあります。交通広告などと同様に、そこを訪れる人向けに情報を発信することが可能です。
Jリーグで思わぬ効果が出たスタジアム広告
スタジアム広告は、試合の展開によっては思わぬ広告効果をもたらしてくれる場合もあります。具体的な事例を一つご紹介します。
静岡県富士市の和洋菓子店「田子の月」は、清水エスパルスの本拠地であるIAIスタジアム日本平(アイスタ)にスタジアム広告を出稿。その内容は、店名「御菓子庵 田子の月」の文字と主力商品の餅入り最中の写真が入っているシンプルな横断幕です。
とある試合において、決勝点へとつながるゴールスローの場所が、偶然この田子の月の広告の目の前で行われました。会場の人・メディアを通じて応援している人の目がそこに集められただけでなく、決勝点につながる重要なシーンということで、スポーツ写真やハイライト動画の一場面として何度も広告が表示され続けたのです。
結果として、店名と商品を観客に強くアピールすることに成功。売上アップにつながったそうです。
田子の月の公式Twitterも、ゴールスローの瞬間の写真を投稿。そのつぶやきには、多くのサポーターから「ロングスローは、田子の月さんの応援のおかげ」「決勝ゴール映像を繰り返してみていたら、餅入り最中が食べたくなる」「餅入り最中のおかげで、ゴールスローが伸びましたね!」など好意的な返信が寄せられています。
このように、タイミングによっては爆発的な効果が期待できるのも、スタジアム広告の面白いところです。スタジアム広告を出稿したことをきっかけに、地域のスポーツ応援に力が入る企業もあるかもしれません。
社名アピールの選択肢に、スタジアム広告を
スタジアム広告は、スポーツを楽しむ多くの人に向けて自社名を売り込むことのできる広告媒体です。大手企業がスポンサーとして出しているものというイメージの方も多いかもしれませんが、各地域のスタジアムには、その地域ならではの企業がたくさん出稿しています。地域密着型の企業の場合は、その地域の人に認知度を広げるチャンスにもなりますし、ご紹介した事例のように思わぬ効果が期待できる可能性もあります。
新たな広告展開の一つとして、スタジアム広告を検討されてはいかがでしょうか。