飛行機内で広告を活用する方法とは|インフライトメディアの魅力
さまざまな広告媒体のなかで、国内外のターゲットに幅広くアプローチできるメディアの一つが「インフライトメディア」です。「インフライト」とは「飛行機の移動中」を指します。つまり、インフライトメディアは飛行機のなかで提供される情報のことです。
最もイメージしやすいのが、座席のポケットに配置されている機内誌ではないでしょうか。できることが限られている機内では、多くの方が目にしたことがあると思います。幅広いアプローチが可能ですが、特にインバウンドマーケティングとして活用する価値があります。
目次
インフライトメディアとは
インフライトメディアとは、飛行機の機内で提供されるメディアのことです。機内で読むことができる情報誌(機内誌)や機内で放送される動画などが該当します。
空港内の通路上に配置する広告や電飾看板、イベントスペースでの広告など、ほかの広告も合わせて展開することで、より商品やサービスを強く印象付けられます。空港からの移動経路(バスや電車など)に掲載する交通広告と合わせるという使い方も考えられます。
インフライトメディアのターゲット
インフライトメディアは、その特性上「飛行機を使って、移動する人」が主なターゲット層になります。たとえば、飛行機を利用する人には次のような層が挙げられます。
・出張で移動中のビジネスパーソン
・日本国内を旅行している訪日外国人
・旅行を楽しむ家族や友人
・実家に帰省する単身者
また、インフライトメディアは、その航空機が発着する就航地とも深く結びつくため、観光客や来訪者などを取り込みたい場合に、積極的に活用したい広告です。特に、増加傾向にある外国人観光客をターゲットにする場合は、多言語対応をアピールする、といった切り口も考えられます。
インフライトメディアの具体例
インフライトメディアとして具体的にどのようなものがあるのでしょうか。たとえば「機内誌」は代表的なインフライトメディアといえますが、その他にも、デジタル機器を活用したメディアや体験型のアイテムがあるため、それらを紹介します。
機内誌
機内誌とは、飛行機の機内で配布される無料の雑誌です。 シートポケットに入っている紙媒体のほか、スマートフォン上で読めるデジタル版が配布される場合もあります。たとえばANAの「翼の王国」やJALの「SKYAWARD」は定番の機内誌といえるでしょう。また、各LCCにも機内誌があるので、ターゲット層やエリアに合わせて掲載する機内誌選ぶのがおすすめです。
コロナ禍においては感染防止の観点から、機内誌を置かない対策が取られていた時期がありました。しかし、紙媒体は独特のくつろぎ感を与えるなど、閲覧性の高いインフライトメディアのため、広告掲載に有効です。
シートモニター
シートモニターとは、それぞれ個人の座席に設置されているモニターで、動画や音楽コンテンツを視聴できます。モニターを起動したときや好きなコンテンツを選択したとき、あるいは離陸前後などに広告を流せるため、目に留まりやすく印象に残りやすい広告の配信が可能です。
機内ビジョンとともに、航空各社のビジュアル提供・広告配信手段として活用されています。シートモニターのない機体の場合は、個人のスマートフォンやパソコンを使用して機内コンテンツを楽しめる手段を提供しているケースもあります。
機内ビジョン
機内ビジョンとは機内の前方にある大型スクリーンや、通路上部にある小型モニターを使用してコンテンツを配信するシステムです。代表的なものに「ANA SKY VISION」があります。
セーフティビデオ(機内安全ビデオ)など、乗客全員が視聴するコンテンツの配信に利用されており、乗客の注目を集めやすいのが特徴の媒体です。飛行中に配信されるコンテンツの前後にCMを流す方法により、一般のテレビや動画配信と同様、多くの人々に対して同時に広告を提供できます。
機内プレイスメント
機内プレイスメントとは、機内食やドリンクサービスを提供するギャレーに設置するアイテムです。ティーバッグやお菓子など、乗客が気軽に手に取れる試供品を提供できます。
商品パッケージとともに飲食体験を提供することで、認知度を高める広告展開が可能です。提供可能な路線は限定されるものの、飛行機をよく利用するユーザーやビジネスパーソンなどに対して、日常的に訴求できる手段といえるでしょう。
インフライトメディアを活用するメリット
さまざまな広告媒体があるなかで、インフライトメディアには次のメリットがあります。
掲載媒体の選択肢が広い
飛行機に搭乗すると一定の時間、機内で過ごすことになります。 緊張感を和らげ、退屈させないようにするため、メディアコンテンツやCAによるサービスの役割は大きいでしょう。
シートポケットに入れる機内誌やモニターを通した動画、音声によるデジタルコンテンツ、さらに機内プレイスメントやCAが配布するアイテムなど、さまざまな媒体が利用されます。機内で乗客との接点となる媒体の選択肢が広いことが、インフライトメディアを活用するメリットです。
ビジネスパーソンへの訴求がしやすい
飛行機を利用するユーザーは大きく分けて次のようなニーズを持っているでしょう。
・平日が中心のビジネス
・休日の行楽・旅行
・インバウンド需要
なかでもビジネスパーソン・経営層の利用割合は大きく、繰り返しの利用や継続利用が期待できます。中高年のビジネスパーソンの利用が顕著のため、ビジネス利用の多い路線ではBtoBの広告が有効です。 また、これらの年齢層をターゲットとしたBtoCの広告を展開することも可能です。
じっくり目を通してもらえる
機内では、限られた設備のなかで時間を過ごさなくてはなりません。通常はインターネットの利用ができないので、時間を過ごすために機内誌を手に取る人が多いです。特に、機内オーディオ設備のないLCCではその傾向が顕著です。そのため、機内にある媒体に掲載されている内容・広告はじっくり目を通される可能性が高いといえます。
インバウンドマーケティングに活用できる
訪日外国人をターゲットにした広告を掲載したい場合、国際線のある航空会社の機内誌を活用することで、効率的にアプローチできます。特に日本行きの航空機のなかでは、これから訪れる観光地の情報を収集するため、ユーザーが積極的に目を通すことが期待できます。
地域に密着した情報を、他地域の人にアピールできる
地域密着型の航空会社の場合は、その地域に根ざしたローカル情報を、他地域の人に魅力的に伝える方法になり得ます。実際にその地域に向かう人をターゲットにした媒体上でアピールできるので、マッチング率も高く、認知度アップや高倍率アップが見込めます。
現地に着く前に、情報をアピールできる
インフライトメディアを媒介してアピールすることで、現地に着く前に情報を伝えられるという側面もあります。その地に着いてから目にする同業他社の広告よりも、一歩先にアプローチできるので、優位性を確保できるかもしれません。
ローカルビジネスや対インバウンドのマーケティングとして活用を
インフライトメディアは、広告出稿先としてはあまり馴染みのない媒体かもしれません。しかし、その適性やメリットを考えた場合、地域に根ざしたビジネスや、インバウンド需要を取り込みたいビジネスにとっては、有効な選択肢の一つとなります。マーケティングに新たな展開を考えている場合、インフライトメディアの活用を検討されてみてはいかがでしょうか。
インフライトメディアへの広告掲載費用
前述の4つのインフライトメディアについて、ANAとJALの広告費用を一覧でご紹介いたします。費用は各メディアの代表的なプランで国内線(日本語)の場合を想定しています。
機内誌は各種掲載枠によって費用が異なります。シートモニター・機内ビジョンはコンテンツや配信秒数、機内プレイスメントは設置期間で費用が異なります。最新・詳細情報はお問合せいただけますと幸いです。
LCC各社の機内誌への広告掲載がおすすめ
LCC(格安航空会社)の飛行機はFSC(フルサービス航空会社)に比べて安く利用でき、独自のサービスによる差別化でユーザーに支持されています。広告掲載についてもターゲットによっては次に紹介するようなメリットがあります。国内線の場合はPeachやJetstarでの広告掲載が可能です。
機内誌への広告掲載は比較的安価である
機内への広告、特に機内誌での広告は、空港やキャビン内、外装への広告などと比べると費用が安価であるというメリットがあります。 また、広告出稿の際の作業は一般の記事広告と同様、DTP作業からの入稿で分かりやすく、条件に従って原稿を作成すればよいため、利便性も高いです。
LCCの機内誌は乗客との接触機会が多い
LCCの飛行機はFSCとは異なり、Wi-Fiやモニターなどの映像配信装置の提供がないことから、機内誌が唯一のエンターテイメントであり情報媒体になっています。乗客はビデオなどのコンテンツが見られない分、自然に紙媒体の機内誌を手に取ることが多くなり、接触機会が増えます。当然、広告に接する機会も多いため、広告の効果が期待できるといってよいでしょう。
LCCは地域の限定がしやすい
LCCは特定の航路のみに就航していることが多いため、機内誌は該当する地域に関連する内容を掲載しています。FSCではさまざまな便に同じ機内誌を置きますが、LCCでは現在の便が到着する街や地域の情報が提供可能です。また、ターゲットが比較的はっきりしていることが広告効果を高めます。
地域のお店や施設の広告にクーポンを含めることで乗客の来店を促し、売上につなげられることも、LCCならではのインフライトメディアのメリットといえるでしょう。
リーチできる層が広い
LCCは地域間のリーズナブルな交通手段として定着しています。同じ経路に新幹線がある場合は、飛行機のほうが安い状況が生じています。このような理由から、ビジネス利用はもちろん家族での旅行や帰省にも使われるなど、幅広い顧客層に利用されているのです。
広告のターゲットとしてBtoBだけでなくBtoCも対象にできるため、さまざまな業種のユーザーにアプローチでき、より多くの広告効果が期待できるでしょう。
まとめ
飛行機で移動している間は空白の時間になりやすく、機内を快適に過ごせるように、さまざまな媒体が用意されています。映像を活用できる機内ビジョンや、機内誌は接触されやすいインフライトメディアのひとつです。ビジネスパーソンやインバウンドをターゲットとしたマーケティングにおすすめです。