ソーシャルグッド広告とは?企業価値を高めるブランディング
近年のマーケティングのトレンドの一つに、「ソーシャルグッド」があります。ソーシャルグッドとは、社会貢献に関する取り組みを総称した言葉で、マーケティングの上でも活用できる考え方です。
企業活動や広報の一環として、社会のためになる活動を取り入れることで、ブランドやイメージを高めることに繋がります。この記事では、ソーシャルグッド広告について解説します。マーケティングの一環として、ソーシャルグッドなコンテンツに取り組んでみてはいかがでしょうか。
目次
ソーシャルグッド広告とは
ソーシャルグッド広告とは、「社会の課題を解決することを目的にした広告」です。世界的な広告ショー「カンヌライオンズ」でも近年注目を集めています。この10年ほどの間に、人種問題や格差問題などの社会問題を解決することを目指すソーシャルグッド広告が高く評価されています。こういった広告は視聴者の共感を生み、拡散されやすいという特徴があります。多くの人の心をとらえる広告を作ることで、価値がより広い層に伝わるようになるのです。
従来の広告は、自社製品やサービスの特徴や良さを、企業そのものの素晴らしさを強調するものが多くありました。しかし、これからは社会問題への取り組み姿勢が注目されると言えます。
ちなみに、ソーシャルグッド広告の中でも、ここ数年のトレンドは「ジェンダー問題」。2015年には、性別についての偏見をなくし、女性の権利向上を後押しする広告を評価する「グラスライオン部門」が新設されました。
日本の広告の中には、依然として女性の描き方が前時代的(女性らしさを強調する、育児が母親だけのものとされているなど)なものも多く、「炎上」する事例があります。国際的にもジェンダーの話題に取り組む企業が高く評価される流れであることを理解し、時代に合った表現を追求するだけでも、ソーシャルグッドな広告と言えるかもしれません。
また、広告に限らず、ソーシャルグッドの考え方を取り入れた「ソーシャルグッドコンテンツ」も同様に注目されています(ソーシャルメディアで共有されることも多いため、”ソーシャルメディア”を指した言葉と思われがちですが、ソーシャルは社会そのものを指します)。
社会貢献価値を付加したコンテンツを発信し、それが大きく取り上げられたり、世界中にシェアされたりすれば、企業価値の大きなPRに繋がります。
カンヌライオンズで注目の日本企業の事例
ソーシャルグッド広告の事例を一つ紹介します。世界的な広告賞「カンヌライオンズ」で、ジェンダー問題への取り組みを紹介する「グラスライオン部門」が創設されたことは解説しましたが、その部門で日本企業の広告が初めて受賞したのです。
受賞したのは、精子の状態をスマートフォンでチェックできるアプリ「Seem」の広告。「男性が消極的になりがち」という不妊治療の課題を解決するために、アプリの仕組みを広めるための動画広告が作られ、モバイル部門でグランプリを受賞しました。人口減少と高齢化という社会問題を解決するための選択肢として「Seem」を開発し、広めるという試みが高く評価されました。
他にも、カンヌライオンズでは社会問題を解決するための事例が多数出ており、ソーシャルグッドが世界的なトレンドであることが分かります。
ソーシャルグッドなコンテンツを取り入れ、企業イメージをアップ
ソーシャルグッドというと、漠然としていて具体的イメージが湧きにくいかもしれません。幅広い言葉を指す言葉ですが、災害時の情報発信や寄付・ボランティア活動、社会福祉活動への支援、地域貢献活動なども含まれます。
大企業のように、ソーシャルグッド広告に投資するのが難しい場合でも、ボランティア活動に関するコンテンツを企業サイトやソーシャルメディアを通じて発信してみましょう。社会貢献についての企業姿勢が伝わり、企業イメージをアップさせることができます。企業活動の一環として、ソーシャルグッドな試みを取り入れ、発信してみましょう。
また、自社製品のマーケティングを行う際にも、一方的にメリットやすばらしさを伝えるだけでなく、社会問題に寄り添う目線を持った企画を考えてみてください。ソーシャルグッド広告が人々の共感を呼び、消費者の心に届きやすくなります。
ソーシャルグッド広告を通じてブランディング
ソーシャルグッドという観点は、これからのマーケティングでも重要なポジションを考え方です。マーケティングを行う際には、単に自社の商品を売り込むだけでなく、社会を良くするためのアプローチを頭の片隅に置くことが大切です。また、直接的に商品やサービスと絡めることが難しければ、企業としての取り組みを発信するのも良いでしょう。
ソーシャルグッドな広告やコンテンツを通して共感を得ることで、多くの人に向けて拡散されます。そうすれば、商品認知&購買につながることが期待できます。
ソーシャルグッドは、社会のためにも、お客さんのためにも、企業のためにもなる「三方良し」の考え方。マーケティングに取り入れて、ブランディングに活かしましょう。