POP広告が失敗する理由とは?ありがちな間違い5つ
実店舗において、お客さんに商品の魅力を訴求するPOP広告。「接客係」と呼ばれるほど、店舗運営で重要な位置を占めます。手書きで作られることも多く、「誰でも簡単に作れる」と思われがちですが、ただ作っただけのPOPではお客さんに「買いたい」と思わせることはできません。
この記事では、POP広告の「ありがちな間違い」について触れていきます。あなたの作ったPOPは大丈夫ですか?この機会にPOP広告を見直して、売上に繋がる内容にブラッシュアップしてくださいね。
目次
POP広告の役割 優れたPOPとは?
まずは、POP広告の役割と優れたPOP広告の定義について確認しましょう。
POPとは「Point of Purchase advertising」。Purchase=購入という意味ですから、直接的に購入意思を左右する広告であると言えます。
具体的には、商品近くに掲示して価格や商品のウリを紹介する店内装飾のことを指します。また、POP広告を広く捉えて、旗やのぼり、店頭の幕やのれんまで含める場合もあります。店舗や売り場全体の統一感を考えると、これらすべてをPOPと捉えてコーディネートする方が良いでしょう。
POP広告の役割を整理すると、以下の3つがあります。
①知ってもらう・気づいてもらう
お店に無数に並ぶ商品の中で、「こんな商品がある」とお客さんに気づいてもらうには、POPの存在が有効です。
お客さんは「○○を買おう」と思ってお店に来ますが(計画購買)、お店で商品の存在に気づくことで、想定していなかった買い物をします(非計画購買)。この非計画購買の数を増やすためには、目立つ・魅力的なPOPの存在が不可欠です。
②買いたいと思わせる
単に商品名や価格を伝えるのではなく、「買ってほしい」と思わせるのがPOPの役割。POPの出来次第で、非計画購買の割合は変わります。
これは、「インストアマーチャンダイジング」の一種でもあるので、各種書籍で手法を勉強するのもいいですね。買いたくなるPOPを書くには、客層を分析し、お客さんに刺さる文句をアピールするのがポイント。
例えば、赤ワインを売りたいときに「ポリフェノールが体に良いです」と書くか「肉料理に合います」と書くか。健康志向の高いお客さんが多いのであれば前者の訴求が有効ですよね。
③売り場やお店の雰囲気を作る
POPを含めた店頭装飾は、お店の雰囲気を形作ります。カラーやフォントの選び方でも、伝わる印象が変わります。
「目に止まり」「買いたくなる」POPは、自ずとお店の中でも存在感が大きいもの。店の雰囲気に合わせて作成し、店舗イメージを増強しましょう。
以上の通り、「商品の名前と、価格を書けばPOP広告が成り立つ」というものではありません。これらの役割を果たすような内容にしてはじめて、POPは「接客係」として活躍できるのです。
失敗するPOP広告とは?ありがちな間違い
POPの役割をふまえて、失敗するPOP広告にありがちな間違いをいくつかご紹介します。自店舗のPOPには当てはまるものはないか、チェックしてみてください。
【作って満足している】
まず、POPを運用する体制が整っていない状態になっていませんか?POPもマーケティング戦略のひとつなので、作った後に効果検証をしましょう。
POPをつけているのにあまり売れ行きが芳しくない…それは、内容の見直しが必要なサインかもしれません。
【お客さんのために作られていない】
お客さんの目線に立った内容になっていますか?自分が伝えたい内容の一方通行になっているPOPでは、「買いたい」という気持ちにはなりにくいです。
例えば、「この商品は、こんなことにこだわって作っていて、開発に○年かかって…」という”想い”をアピールするよりも、「この商品は国産原料を使い、無添加。赤ちゃんの離乳食にピッタリ!」と客層を絞ってアピールする方がお客さんの心に刺さります。お客さんが選ぶ手間を減らしてあげるイメージで、他の商品との組み合わせ提案をしてもいいですね。
どんなお客さんがいて、どんなニーズでこの商品を手にとるのか。POPを作る際には、お客さんの目線に立ちましょう。
【ぼんやりとした、何にでも当てはまる訴求になっている】
とりあえず良さが伝わればいいかと、「とっても美味しいコーヒーです」「とにかく良いです」のような“何にでも当てはまる”内容になっていませんか?
お店には無数の商品がありますから、誰にでも受け入れられる表現では、誰にも選ばれません。例えば、「朝専用の缶コーヒー。濃い苦味で目が覚めます!」のように、その商品ならではの強みやお客さんが得られるメリットが伝わるように訴求を見直しましょう。
【情報量が多すぎる】
空白スペースがもったいないからと、情報をギュウギュウに詰め込むのはNG!情報が多すぎるとわかりにくくなり、読まれません。また、専門用語も伝わらないので、誰にでもわかる言葉選びにも注意しましょう。
店頭では、歩きながら商品をチェックしますから、パッと見で読める情報は限られています。遠くからでもお客さんをひきつけ、目を通してもらうためにも、お客さんの気持ちになって、POPは飾る前に一度離れた位置から見てみましょう。
【お店の雰囲気にあっていない】
POPは商品を宣伝するツールでもありますが、お店の雰囲気を作り上げるものでもあります。雑貨屋さんに激安スーパーの安売りのようなPOPは合いませんよね。雰囲気にそぐわないPOPは悪目立ちして、商品やお店にネガティブなイメージを植え付けてしまうかもしれません。
店舗のイメージを大事にしながら、その中で目立つ工夫をしましょう。
トライ・アンド・エラーを重ね、お客さんに響くPOPを書こう
ついつい忙しいから、適当に作ったPOPをそのままにしていませんか。POP活用も重要なマーケティング戦略の一つ。忙しいからこそ、POPの改良を重ねることで、POPが「あなたの代わり」となってお客さんの接客係として活躍してくれます。
この記事でご紹介した観点をもとに、今一度POPを見直してみてはいかがでしょうか。