マーケティングの基本!STPマーケティングの3ステップとは?
STPマーケティングとは、マーケティング手法の基本であり、フィリップ・コトラーが提唱した代表的なマーケティング論の一つです。
STPマーケティングという言葉は、「セグメンテーション」「ターゲティング」「ポジショニング」の3つの頭文字を取って付けられたものです。
「セグメンテーション」「ターゲティング」「ポジショニング」の3つは、マーケティング分析をする上で重要なステップであり、このステップを正確に踏むことで成果につながるリサーチマーケティングができるとフィリップ・コトラーは提唱しています。
ここでは、マーケティングの基本中の基本であるSTPマーケティングについてお話しします。
目次
セグメンテーションは市場細分化
「セグメンテーション」とは、セグメント化という意味であり、セグメントという言葉には「分割」「断片」などの意味があります。
つまり、市場全体を対象とするのではなく絞り込んで狭めるための準備として、市場を細分化していくステップのことを、STPマーケティングではセグメンテーションと呼んでいます。
わかりやすく言うと、マス・マーケティングからニッチ・マーケティングへとシフトして隙間市場を探す準備ステップということになります。
マス・マーケティングとは幅広い消費者を対象にしたマーケティングであり、ニッチ・マーケティングとは特定のニーズがある小さな市場のことです。
よく隙間マーケティングとも言われていますね。
セグメンテーションのステップでは、様々な角度からマーケティングリサーチをして、一般的な市場の隙間に潜んでいる狭くて深いニーズをあぶり出すのが目的となっています。
ターゲティングはターゲットユーザーの設定
セグメンテーションで、参入したいセグメントを選定できたら、そこに存在するターゲット層を分析しながら、ターゲットユーザーを明確にしていきます。
どんなターゲットユーザーに、どのようなメリットの商品やサービスを提供するか?を具体化していくのです。
ターゲットの選定では、とにかく自社の強みを最大限に活かせることが前提です。 強みを最大限に活かせるかどうかは、セグメント選定の段階から決まっていますので、ターゲットが選定できない場合はセグメンテーションからやり直す必要があります。
ターゲットの規模は一般的に市場全体から見たときの20%以下です。
それだけ狭められた中でターゲット層を絞れたなら競合もあまりいないので高い成果率が見込めます。
ポジショニングはターゲット層から見た優位点
最後に、ポジショニングというステップがあります。
ポジショニングは、ターゲット層から見たときの優位点であり、ターゲットユーザーにとってお金を払うだけの価値や魅力があるか?を考える重要な段階です。
競合を減らすために差別化を図って個性ある商品やサービスを提供しても、狙ったターゲットユーザーにとってお金を払うほどの価値がなければ商売は成り立ちません。
つまり、差別化は企業側の視点での優位点ですが、ポジショニングはターゲットユーザーから見たときの優位点になります。
ポジショニング設定を突き詰めるためには、ターゲットユーザーの心理を分析してつかむのが大事です。 その商品やサービスに対して、どう心を動かすか?の分析が重要であり、それを明確にすることでより深くターゲットユーザーのニーズが見えてくるのです。
また、ターゲットユーザーの心理を探る時に、商品やサービスに感じるメリットだけではなくデメリットも分析してみると、さらにニーズを洗い出し、選定したセグメントの中で必要とされる商品やサービスが明らかになってくるはずです。
3つのステップを終えた後に立案、実行へと進む
STPマーケティングのセグメンテーションとターゲティング、ポジショニングの3つのステップを終えた後は、いよいよ立案、そして実行へと移っていきます。
立案では、マーケティングの実施計画を決めていきます。
商品やサービスの売り方や活動、展開場所などを決めていき計画を立てていきます。
その際には、有名なマーケティング・ミックス やプロモーション・ミックスなどを用いられて、実行に向けて具体的な計画を立てていくのです。
立案が完成したら立案の内容を実行していきます。
その時には、計画実行の中での新たな分析やコントロールも行いながら進めていきます。
このように、この世にあるヒット商品やサービスがリリースされるまでには、ほとんどの場合、STPマーケティングが用いられていると言っても過言ではありません。
新たにいろんなマーケティング手法が生まれていますが、マーケティングの基本はSTPマーケティングですから、マーケティングを考えるときはSTPマーケティングなしでは考えられません。
セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニングの各ステップの役割をよく知った上で、本当に必要とされている商品やサービスを知ることが大事ですね。