大きな影響力を持つ“交通広告”の有効性
交通広告は、雑誌広告や新聞広告などと同様に多くの人の生活に溶け込んでいます。交通広告の大きな特徴は、影響力に変動のある広告のなかでも安定した影響力を保っているという点です。ここでは、交通広告の持ち味である“安定した媒体接触率”のデータと、関連する影響力についてご紹介します。
目次
最大の特徴は“媒体接触率”が安定しているという点
電車やバス、タクシーや飛行機などに掲示されている広告を、交通広告と呼びます。くわえて、交通広告には駅構内など各交通関連施設で掲示されているものも含まれます。そんな交通広告最大の特徴は、「広告としての影響力が安定している」という点です。広告の媒体にはテレビを始め、ラジオや雑誌、新聞などといったメディアがあります。近年はインターネットの普及やタブレット端末など電子機器の躍進もあり、テレビや雑誌、新聞などのメディア環境が大きく変動しています。そうしたなかで、交通広告は安定した影響力を保っています。
関東交通広告協議会が2012年に行った調査では、以下のような結果が発表されています。
この調査では、1週間中1日でも何らかの媒体に接触した人の割合を測る “媒体接触率”が調査されました。その結果、媒体接触率が最も高かったメディアは “テレビ”で、接触率は97%という数値が発表されました。次いで携帯電話のメールが85%、パソコン経由のインターネットが77%という数値が報告されています。
その一方で、ラジオや雑誌、新聞といったメディアの媒体接触率は2004年から減少傾向にあります。たとえば、ラジオの媒体接触率は2004年時点で53%だったのに対し、2012年には44%まで減少しています。くわえて雑誌の媒体接触率は2004年時点で71%だったのに対し、2012年では60%にまで減少しています。この数値から、両者とも媒体接触率が10%近くも減少していることがわかります。
そんななかで、電車内の交通広告の媒体接触率は70%という数値が出ています。これは、前回に調査が行われた2008年の数値とほぼ変わらない数値です。また、2004年の調査結果からみると4%上昇していることもわかります。
さらに性別や年代別のデータを見ると、交通広告の媒体接触率のメインとなっているのが10代~30代の男女という結果も見えてきます。こうした点から、交通広告はメディアの動きに左右されない安定した広告媒体だといえます。
関心を惹きつけてリーセンシー効果に繋げる
交通広告に関する意識調査では、「電車内の中吊り広告をよく見る」と答えた人は全体で76%という調査結果が報告されています。また、「電車内の広告でトレンドや最新情報を知ることがある」という意識は63%の人が持っているとされています。
このことから交通広告は、トレンドや最新情報を知ってもらうための手がかりとして貢献していることがわかります。くわえて、「電車内の広告を見た際、別のメディアの広告を同時に思い出すことがある」と答えた人は半数に及び、交通広告のクロスメディア効果も見込める結果となりました。
交通広告は、リーセンシー効果が期待できる広告媒体でもあります。リーセンシー効果とは、消費者が直前に目にした広告が、その後の購買活動に影響を与える効果のことを指します。
調査によると、映像や音楽ソフト、スマートフォンといった耐久財の商品をPRする車内広告を見た直後に「実際に店頭でその商品を見たり購入したりした経験がある」と答えた人は全体で25%という結果が出ていました。
雑誌や菓子類、飲料類などの消費財の商品では、全体で5割の人が「車内広告を見た後に、店舗で実際の商品を見たり購入したりした」と回答しています。特に20代から40代の幅広い年齢層の女性には、交通広告による高いリーセンシー効果が見られたという結果が発表されています。
さまざまな年齢層の人に安定して接触できる広告
広告の影響力には、変動が激しいという特徴があります。そんななか、安定した媒体接触率や高いリーセンシー効果が見込める交通広告は、上手く活用することによってより効率的に情報発信をすることができます。自社サービスや商品などのPR手段として、この交通広告も検討してみてはいかがでしょうか。