広告コラム

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「新聞広告賞2015 第35集」受賞広告から学ぶ新聞広告制作のポイント

新聞広告は、テレビCMや雑誌広告などと並び、現在でも根強い影響力を保ち続けている広告です。そんな新聞広告のなかでも、特に優れた広告を表彰するのが日本新聞協会の主催する“新聞広告賞”です。そこでここでは、新聞広告賞2015にて受賞を果たした広告からより良い新聞広告を制作するためのポイントを探っていきます。

世界的アーティストの“自撮り写真”から読み取れるメッセージ

最初に紹介するのは、世界的アーティストであるレディー・ガガの自撮り写真が使われた資生堂の新聞広告です。この広告は全国50紙の正月広告として登場したもの。全国の新聞の広告原稿に、全て違う50枚の自撮り写真が掲載されました。「その人がその人らしく生きること」を主張するアーティストの自撮り写真が、メーカー側の生活者目線を徹底する姿勢と上手くマッチングした広告になっています。

モデルとなったアーティスト自身のSNSにもこの取り組みが告知されたため、国内外で大きな話題となりました。この広告は世界的アーティストを起用するというキャスティングにくわえ、SNSによる拡散などの要素もあり、若年層に広く注目されました。その結果、新聞のみでの掲載にも関わらず多くの人々の注目を集め、新聞広告の新たな一面が垣間見えた作品として高く評価されています。

伝統的な食文化の魅力を伝える広告

続いて紹介するのは、醤油や料理酒、本つゆといった調味料のメーカー、“キッコーマン”の広告です。掲載された広告は、醤油のパッケージイラストと日本の豊かな四季を表現したイラストが組み合わさったもの。そのビジュアルからはどこかノスタルジックな雰囲気が漂い、キッコーマンが掲げる「日本の伝統的な食文化である和食について、もっと知ってほしい」という思いを秀逸に表現しています。「春夏秋冬の恵みを活かした和食の魅力を、上手く伝えた作品だ」として高く評価されました。

また、この広告では紙面から企業のウェブサイトへと誘導し、手軽で美味しい和食レシピを紹介するなどして、読者と和食の距離をグッと近づけるような工夫もされています。ビジュアルの完成度にくわえ、読者との距離を上手く縮めるような工夫がなされているという点が広告賞受賞の決め手となりました。

読者とともに歩んだ歴史を示した新聞広告

学習雑誌を発行している小学館は、幅広い世帯に渡って読み継がれているメディアならではの新聞広告を掲載して受賞に至っています。

小学館から発表された広告は、2015年4月に出版90周年を迎えた学習雑誌の広告です。広告では創刊当時からの読者である96歳の女性を筆頭に、72歳の男性、43歳の女性、そして6歳の男の子という構成の家族が紹介されています。実は、この写真には同誌の世代ごとの読者を紹介するという意図があります。年代別の読者を紹介することで、出版から現在に至るまでの同誌の歴史が秀逸に表現されています。こうした表現方法が目を引き、「90年もの長い歴史を誇る同誌の誇りと姿勢が強く印象付けられている」として、高く評価されました。

なお、同誌の2015年4月号の販売部数は31.8万部に及び、同誌の直接的な売上にも貢献した広告であるといえます。同出版社は、国全体が困窮した戦時中も出版を続けてきた歴史を踏まえて「これからも良い本を出版し続ける」という決意を新たにしています。

読者に訴える方法はさまざま

ここで紹介してきた新聞広告は、企業のメッセージがさまざまなビジュアルやコピーで語られています。企業のメッセージ性が伝わりやすいキャスティングを行ったり、企業の歴史や抱負を伝えたりというように、さまざまな視点から企業のアピールを行うようにすると、より良い新聞広告が制作できるようになります。新聞広告を制作する際は、こうした受賞実績がある優れた広告から学ぶことが大切です。

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